嫌われる勇気【まとめ】

鉄狼です。


今回は書評に挑戦します。


「嫌われる勇気」についてです。
この本は僕のバイブルです。


私はこの本で人生変わりました!!
転職もこれで決断できましたし。


悩みのある人は確実に読むべき本です。
魂込めて書きました。


嫌われる勇気【まとめ】




本について




アドラー心理学という名の「哲学」について書かれています。
私の解釈では人間の「生き方」について教えてくれる本です。


嫌われる勇気という言葉は本の内容のほんの一部であり、さらに深い内容が書かれています。


「哲人」と「青年」の対話形式で展開されていくので、非常に読みやすいです。


では、本の内容について以下に説明していきます。


重要な内容がいくつもあるのですが、本の主要な部分だけを抽出していこうかと思います。


1.人間の全ての悩みは人間関係


アドラーは人間の全ての悩みは人間関係であると喝破します。
どういうことか?


宇宙の中にただ一人で生きていると人間は悩まないからだそうです。


たとえば、容姿の悩み。
比較する人がいなければ、悩まないわけです。

他人が存在しなければ、悩みなど生まれるはずがないと。
そして、悩みを消し去るには、宇宙の中でただ一人で生きるしかない。
すなわち、絶対に不可能です。

悩みがない状態なんてあり得ないんです。


2.人間関係の種類

 
さて、全ての悩みが人間関係だとして、悩みをどう解消していくのか。


アドラーは、
「ひとりの個人が、社会的な存在として生きていこうとするとき、直面せざるをえない人間関係」
のことを人生のタスクと呼びました。


そして、人生のタスクには3種類あります。

① 仕事のタスク
② 交友のタスク
③ 愛のタスク



① 仕事のタスク


他者との協力なくして成立する仕事はありません。
すなわち、仕事を進める上での人間関係が「仕事のタスク」です。


距離と深さの観点で、最もハードルの低い人間関係です。
仕事がなければ、断ち切れる関係だからですね。


ここでつまずいてしまった人がニートや引きこもりと呼ばれる人たちです。


② 交友のタスク


いわゆる友人関係のこと。
仕事のような「強制的な連携」の必要がないため、関係に踏み出すのも深めるのも難しい。


アドラーは「友達の数には、なんの価値もない!」としています。
考えるべきは、「関係の距離と深さ」だと。


③ 愛のタスク


 最も難しいタスク。
2つの段階に分かれ、家族関係と親子関係がある。

距離が近く、関係も深い。

アドラーは言います。
人は「この人と一緒にいると、とても自由に振る舞える」と思えた時、愛を実感することができる。


 

「人生の嘘」から目を逸らすな。


「人生の嘘」とは、様々な口実を設けて、「人生のタスク」を回避しようとすることです。


すなわち、人間関係と向き合うことから逃げるなということですね。 

ただし、望まない関係は自ら断ち切ってもいいそうです。
対人関係のカードはあくまで私が握っていると。

人間関係の分類を終えました。

これからは、その人間関係の悩みを解消する方法について説明していきます。


3.課題の分離

 
アドラーは、「課題の見極めをせよ」といいます。
これは誰の課題なのかと。

その方法は「この課題の責任を最終的に誰が引き受けるのか」
ということです。


子供が勉強しないという課題について。


勉強しないで困るのは最終的に子供なのだから、親の課題ではなく、子供の課題なのです。

そして、他人の課題に対しては、一切介入してはいけないと説きます。


例えば、上司があなたを嫌っているとします。
上司がどれだけ理不尽な怒りをぶつけてきても、その「理不尽な怒り」は上司が始末すべき「上司の課題」です。


だからそれには自分は介入しない。
すり寄る必要もないし、自分を曲げてまで頭を下げる必要もない!!


そして、「上司があなたをどう扱うか(嫌うなど)」は「上司の課題」で「わたしの課題」ではないので、気にかける必要はない。


わたしがやるべきことは、自らの人生に嘘をつくことなく、自分の課題に取り組みだけである。


素晴らしい!!


アドラーはこの課題の分離を「人間関係の入り口」であるとしています。



4.承認欲求を否定せよ


しかし、ここで思うのです。


そうはいっても、嫌われるの嫌だな~と。

 なぜか。

いわゆる承認欲求です。


他人から認められるのは嬉しい!!
そのために、すごい勉強を頑張ったり、仕事を頑張ったり、プライベートを頑張ったり、、、 


しかし、あるとき気づきます。


あれ、他者の期待を満たすために生きていないか?と。
他者の視線、評価を第一にしていないかと。


もうお気づきでしょう。


承認欲求は普通に生きているとそれに人生を支配されていきます。

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天 18巻


エリートはその典型的な例だと私はおもっているんですが、、


アドラーはそれを坂道から転がっていくような傾向性(自然な欲望)だといいます。


この生き方は欲望や衝動の奴隷であり、その先には不幸せが待っていると。
 (天のアカギさんもそう仰っています)


嫌われる勇気の正体


この他者からの承認を受けたいという欲望、衝動に抗うのが自由です。


つまり、承認欲求を否定する。


さらに話を進めます。


全ての悩みは人間関係で、対人関係から解放されることを求める。
しかし、宇宙にただ一人で生きることはできない。
では自由とは・・・?


「自由とは、他者から嫌われることである」


嫌われることが自由のあかしだと。
自由に生きるために支払うコストが嫌われることです。


なんと・・・・。


ここでの注意点は嫌われることを恐れるなという意味で、積極的に嫌われろとはいっていません。


5.人間関係のゴール:共同体感覚


 ここまでの振り返りですが、

1.全ての悩みは人間関係である。
2.人間関係は3種類ある。
3.人間関係の入り口は課題の分離である。
4.人間関係において自由であるために承認欲求を否定せよ(嫌われる勇気)。


 では、人間関係のゴールとは?


それは、共同体感覚です。


これは、他者を仲間だとみなし、そこに「自分の居場所がある」と感じられることです。


それに必要なものが3つでてきます。


1.自己受容


これは60点の自分をそのまま60点として受け入れることです。


そして、100点に近づくにはどうしたらいいかを考えることです。


欠点のない人間とかいないよねというお話しです。


ダメな自分をまず受け入れよう、そして自分で変えられるとこは変えていこうよという態度です。


2.他者信頼


 「信用」とは個人と銀行の関係です。
いわゆる条件付きであり、互いに見返りを求めます。


そして「信頼」とは、無条件に他者を信じることです。
裏切られることもある、損害を被ることもある、だけど信じ続ける態度です。


ここで重要な概念が「課題の分離」です。


私を裏切るのは他者であり、「裏切るのは他者の課題」だと考えられるかどうか。

自分は無条件に信じるだけだと。
そして、望まない関係であれば断ち切ってもいいと。
これは「わたしの課題」です。


3.他者貢献


「1.自己受容」と「2.他者信頼」ができたとき。
つまり、自分を受け入れ、他者を信頼できるとき、


他者は仲間になる。


仲間である他者に対して、なんらかの働きかけをしていくことが他者貢献になります。


ここでの注意点は「わたし」を犠牲にして誰かに尽くすことではないことです。


そして、アドラーはいいます。


他者貢献は「わたし」の価値を実感するためにこそ、なされるものであると。

人間にとって最大の不幸は自分を好きになれないことである。


すごい言葉です。


しかし、「わたしは共同体にとって有益である」、「わたしは誰かの役に立っている」という思いだけが、自らに価値を実感させてくれる。

これを実現させるのが他者貢献です。


そして、幸福とは貢献感である。


不幸な人は全て、この貢献感がないのだということです。


この3つを達成しているとき、共同体感覚を持つに至り、幸福になれると。


そして、いよいよ怒涛のラストに向かいます。


6.普通であることの勇気


共同体感覚を得て、他者貢献を通じ、自分には価値があると実感したと。


では人はそれだけで本当に幸福なのか。


確かに、今までの話では、歴史に残る偉業、生涯をかけて目指すべき夢など、この辺の議論が出てきていません。こういうのは本当に不要なんですかと。


これに対し、アドラーはまず「普通であることの勇気」を提唱します。


なぜ、社会的な成功を収める、偉大な夢を叶えるなど「特別」になる必要があるのか。


それは「普通の自分」が受け入れられないからです。


では普通の自分がなぜ嫌なのか。


それは、「普通=無能」という誤った認識があるといいます。


アドラーはそうではないと。 

次章以降に続きます。



7.人生とは連続する刹那である


いわゆる高邁な目標とは「登山で山頂を目指す」ようなものです。
しかし、この考え方は危険だとアドラーは言います。


というのも、これに基づくと、目標が達成できなかった人生は全て失敗、意味のないというものになるからです。


人生の大半を途上としてしまう生き方。
出世を最終目標とするサラリーマンのような生き方ですね。


これは人生を「線」として捉えています。


しかし、本当は「線」は「点の連続」であると。
「いま」という名の「点」の連続なのです。


そして、我々は「いま、ここ」しか生きることができない。
過去も未来も存在しないといいます。


つまり、社長、役員を目指すサラリーマンは途上の人生を生きていたのではなく、常に「いま、ここ」を生きていた。

人生とは、いまこの瞬間をくるくるとダンスをするように生きる、連続する刹那であると。


ダンスにおいて、踊ることそれ自体が目的であり、どこかに到達しようとは思わない。
目的地は存在しない。


そして、この考えでは、「いま、ここ」が充実していれば、それでいい!
という考えです。


過去にどんなことがあったかなど、「いま、ここ」には何の関係もないし、未来がどうあるかなど「いま、ここ」で考える問題ではない。人生設計など不可能!!


だから、


「いまを生きろ!!!」


いまに強烈なスポットライトをあてよ。


終章.他者貢献という名の星を掲げよ


さて、話は最終局面に入りました。


人生が「いま、ここ」にしかないとき、果たして人生の意味はどこにあるのか。


アドラーは一般的な人生の意味はないといいます。
ただし、「人生の意味は、あなたが自分自身に与えるもの」だと。



だから、人によって人生は違って当然ですよね。
自分で人生を決めていいんだ。。。


そして、人が人生を選ぼうとしたとき、すなわち、他人から嫌われることを恐れず、他者の人生を生きないと決意したとき、迷いは生じる。


自由とは迷いが生じるもののようです。

アドラーの答えは、
迷ったときは「他者貢献」という名の導きの星を掲げよといいます。


この星さえ、見失わなければ、迷うことはないし、何をしてもいいと。
常に幸福とともにあり、仲間とともにあると。

刹那としての「いま、ここ」を真剣に踊り、真剣に生きましょう。
誰かと競争する必要もなく、目的地もいらない。
踊っていれば、どこかにたどり着く。


まとめ:図解 

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アドラー心理学の実践を私も目指しています。
職場での対立を何度経験しました。


嫌われるって本当につらいんですよね。


でも、勇気をもって自由を獲得したい。
まだまだ途上ですが、これからも実践していきます。


長文をお読み頂き、ありがとうございました。

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