鉄道設計技士に挑戦します


こんにちは。
鉄狼です。

私は鉄道業界に身を置いてから7年が経過し、8年目を迎えています。

そこで鉄道の技術職として登竜門の資格である「鉄道設計技士」に挑戦します。

受験部門は「鉄道電気」で専門が「弱電分野」になります。


鉄道設計技士に挑戦します


鉄道設計技士とは救済措置である




鉄道業界では設計管理や設計確認を行う要員である「設計管理者」を置くことが必要です。


そして設計管理者に選任されるための要件の一つが「鉄道設計技士」の資格取得になります。

簡単に言うと、鉄道業界の技術職で課長以上になるためには「設計管理者」になれることが重要で、そのために必要な資格が「鉄道設計技士」になります。

すなわち鉄道会社の技術職として出世するには必須といえる資格です。

ちなみに「設計管理者」になるには以下のどれか一つの資格を持っている必要があります。(ただし、電験は電気部門のみ該当)

設計管理者に必要な資格
・電験一種
・技術士
・鉄道設計技士


この中でも「電験一種」と「技術士」は別格の資格です。
どちらかを取っていれば電気業界で食いっぱぐれることはないでしょう。



この二つの資格は難易度が非常に高いので取得できる人が少ないのです。
そのため、この二つの資格のみを要件にしてしまうと設計管理者になれる人が限られ、運用上無理が出てきます。

そのため、電験一種と技術士が取れない人のための救済措置として「鉄道設計技士」があります。

「鉄道設計技士」は鉄道の知識のみが必要な資格であり、鉄道の仕事をしていれば勉強して取得できる代物です。
対して「電験一種」と「技術士」は、電気の幅広く深い教養が必要であり、圧倒的に難しい資格です。

上記3つの資格の中でも難易度が明らかに低く取得しやすいのが「鉄道設計技士」になります

とはいえ、合格率は15%を下回る難関資格です。



共通試験と専門試験I




鉄道設計技士は2021年の試験から問題傾向が大幅に変更になりました。

共通試験と専門試験Iについては全てマークシート問題となりました。
(前年度までは記述問題がありました)


ただし、正答率は7割越えが必要となり、難易度はむしろ上昇したかもしれません。
(前年度までは6割以上で合格)

共通試験と専門試験Iに合格すると次年度以降は免除になり、論文試験のみの受験が可能になります。

共通試験では鉄道の法令、土木、電気、車両分野におけるマークシート問題が出題されます。


鉄道業界は基本的に縦割り組織になります。
そのため、自分の専門分野以外の知識は薄くなります。

自分の専門分野で得点するのは当然として、専門外でいかに得点できるかが勝負のカギを握りそうです。

頻出問題を落とさないかも重要だと思われます。

専門試験Iでは自分の専門分野のマークシート問題が出題されます。
専門試験ですので、共通試験に比べて各部門の深い知識が要求されます。
とはいえ、日常的に仕事でやっている内容がほとんどのため、共通試験よりは取り組みやすい印象を受けます。

問題はパターン化しているため、頻出問題を落とさないことがカギになるかと。



私は過去問演習を5年分やろうかと思っています。
2年分ほど解きましたが、過去の合格基準は超えられる見込みが出てきました。
基礎教養がある方は過去問演習のみで何とかなるかなと思っています。


共通試験及び専門試験Iそれぞれについて、過去問1年分の演習及び解説の調査と理解でトータル6時間くらいかかります。
2つやるならば12時間は必要です。

そう考えると非常に時間のかかる資格といえます。



専門試験Ⅱ




専門試験Ⅱも2021年度から試験内容が変わり、以下の内容となりました。

2021年度からの鉄道設計技士試験における試験方法の変更内容について(補足) | 鉄道設計技士試験 | JR 公益財団法人 鉄道総合技術研究所 (rtri.or.jp)



専門試験Ⅱ
・記述式と論文式の問題を出題
・記述式の問題は、鉄道設計技士としての技術的な判断能力、応用能力について問い、
 数値、語句等で解答
・論文式の問題は、従来通り、見識を問う問題



となっております。

ひとつお知らせです。
2020年度までの「業績論文」がなくなったのです。


業績論文は今までの自分の業績を論文にするのですが、対策が大変でした。
試験前に論文を書いて暗記する必要があったのです。

しかし、しっかり仕事をしてきた人からすると確実な得点源になります。
自分の立派な業績を事前に書いて暗記すれば満点近い点数を確実に出せたのです。

試験対策をしっかりやっている人や立派な業績がある人にとっては不利な改正だと思います。
しかし、私のような経験が浅く実績がやや足りない人や実力はあるけど試験対策が苦手な人にとっては有利な改正です。

しっかり準備したものが勝つというよりは、日ごろの見識の広さとその場の対応力が高い人が勝つ試験に変わったと言えるでしょう。

さて、鉄道設計技士の難しさはこの専門試験Ⅱにあります。

なにせ論文を書く必要があるのです。
見識論文は健在です。

この見識論文は出題範囲が広範であり、鉄道の専門分野の技術知識が幅広く身についてないと太刀打ちできません。

いくつかのテーマから選ぶことができるので、全く知らない内容を書くことになるという最悪の事態は避けることはできます。

しかし、時間がタイトなため、もたもた考えているようだとアウトです。

論文の構成を練り、文章を書き、推敲するという3ステップを短い時間で終わらせる必要があります。

記述式、論文式の計3時間となっていますが、論文に使える時間は未知数でマックスでも2時間半くらいだと予想します。

手書きで2時間半原稿用紙4枚程度を埋めるとなると考察する時間は非常に少ないでしょう。

見識論文は日ごろの技術的な素養が問われる試験だといえます。

私の現状での対策は過去問演習です。
すでに3年分ほど論文を書いてみました。

時間が足りなすぎるというのが正直な感想です。
さらに、過去問のテーマは出題されにくいと思いますので、同レベルの見たことのない問題を当日に解けるかという不安が大きいです。

これからはさらに過去問に目を通し、論文構成を練り時間短縮をする演習を重ねていきたいと思います。


まとめ



鉄道設計技士をまとめると以下の通りです。

・鉄道設計技士は鉄道業界で管理職以上を目指すなら必須の資格である。
・鉄道設計技士は救済措置(電験一種や技術士が取れない人へ)であるが難関資格である。
・2021年度から大幅な試験内容変更がある。
・広範な鉄道の知識が必要。
・専門分野は失点できない。
・論文対策が大変であり醍醐味。



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