鉄道業界の特徴


こんにちは、鉄狼です。


本記事では鉄道業界のお話をします。
就職活動をしている方や転職を考えている方向けの記事です。


私は鉄道業界に6年間在籍しているため、ある程度確実なお話ができます。
ただし、鉄道業界に属する全ての会社を経験しているわけではありませんので、偏った視点になるかもしれませんが、ご容赦ください。


鉄道業界の話


鉄道業界の特徴は以下の通りです。

  • 安定した収益性
  • 安全が最重要
  • 縦割り組織
  • 特殊な勤務形態




1.安定した収益性


鉄道業界の魅力はなんといっても「安定した収益がある」ことです。
鉄道のような大人数の効率的な輸送というビジネスは、しばらくITや機械に置き換わることはないでしょう。


また、車の自動運転が普及しようとも、大都市の交通混雑を解決できるわけではないため、自動車にとって代わられることもないでしょう。
長い目で見ても鉄道業界が潰れる可能性は低いと思います。


ただし、地方の鉄道業界は今後人口減少により厳しくなるかもしれません。
都市化はこの先も進むため、就職という観点では地方のみの営業をしている鉄道企業は避けたほうが無難でしょう。


例えばJR東日本の地方の在来線はほとんどが赤字です。
しかし、大都市の在来線と新幹線で稼げるため、地方の赤字を消すことができています。
地方路線だけでは絶対に経営は不可能です。


地方しか走っていない他のJR企業は補助金で経営しているのが実態です。
そして、基本的にドメスティック業界ですので、人口減少の日本では業界全体が伸びる可能性は低いです。


また、鉄道業界では鉄道の自動運転が普及すれば長期的には人の雇用数は減少すると思われます。

https://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/1160959.html


ただし、鉄道業界は労働組合が強いため、どこまで自動運転が普及するかは不透明です。
また、会社としては地方への投資効果は薄いため、首都圏でないと自動運転が普及しないかもしれません。


ただし、流行は自動運転ですので「ずっと運転士をやりたい」という人はタクシードライバーのように不要になる可能性があることは頭に入れておきましょう。


以上から、鉄道業界で働く場合は下記を頭に入れておくとよいかと。

1.大都市を走行する路線を所有する鉄道企業を選択する

2.運転士や車掌を最終目標としない(不要になる可能性あり)




2.安全が最重要


どの鉄道企業にも絶対の価値観が根付いているのが鉄道業界の特徴でしょう。
それは「安全第一」です。


お客さまの命が最優先という意識が根本にあります。
人を輸送するのですから当然の価値観です。


ただし、これが足を引っ張るものでもあります。
安全が最重要ということは、十分な安全性が担保されなければ動かないということにもなるからです。


そのため、変革が他業界に比べてとてつもなく遅いです。
例えば、携帯電話が普及して電話に無線が使われたのはずいぶん前ですが、鉄道の列車制御に無線が使われ始めたのは2017年とごく最近なのです。

https://response.jp/article/2017/10/03/300592.html


進化よりも安全を優先することは今後も絶対に変わらないので、今後も変革スピードは遅いままです。


新しいもの好きの方は鉄道業界を避けたほうが無難かもしれません。


3.縦割り組織


鉄道は専門技術の集合体です。
ざっくりいうと、事務系・土木系・建築系・車両系・電気系とあります。


企業によってはさらに分かれます。事務系ですと鉄道事務、生活サービス、輸送。
電気系であれば電力、信号、通信というふうに細分化できます。


それぞれの技術分野で深い専門知識が要求され、とても全分野の知識を身につけることは不可能です。


そのため、鉄道業界の多くの企業は縦割り組織を作って、専門に特化した人材を育成します。
職種別採用をしている鉄道の企業がほとんどだと思いますので、気になった方は企業のHPを覗いてみてください。


縦割り組織にはメリットとして深い専門知識を身に着けられるというのがあります。
一方で、一度配属されると他の職種に移ることが難しいため、一生その仕事という融通が利かないデメリットもあります。


どうしてもこれがやりたいという人であれば、希望が通らなかったときのミスマッチは一生続くので覚悟が必要かと。
また、いろいろな仕事がやりたいという人にも不向きな業界です。


一方で、専門知識をしっかり身に着けたいという方にはぴったりな業界かと思います。


4.特殊な勤務形態


鉄道業界といえば不規則勤務でしょう。


鉄道は始発から終電までという非常に長い時間を運行しています。
さらに365日運行するため、土日、祝日、年末年始も関係ありません。


駅員、車掌、運転士という鉄道輸送の現場に配属されれば、確実に不規則勤務になります。


また、技術系の人間も同様です。
鉄道は真夜中には走りませんが、その時間に設備のメンテナンスや工事をしなければならないため、技術系の現場では夜間勤務が発生します。


ちなみに支社や本社などのホワイトカラー職場では基本的に土日休みで昼間の勤務になります。
しかし、鉄道というのは輸送障害が頻発します(列車遅延とか)。


そのとき、現場を支援するため、支社や本社はオフィスで大忙しです。
土日でも大きな障害が発生すれば、緊急呼び出しです。


鉄道の代名詞といっても過言ではない不規則勤務。
鉄道業界に就職する際には覚悟すべきでしょう。
しかし、不規則勤務には手当てがつくので給与は増えます。
一長一短ですわな。


終わりに


鉄道業界の特徴についてまとめました。

・安定した収益性
・安全が最重要
・縦割り組織
・特殊な勤務形態


この特徴はほとんど全ての鉄道企業に当てはまると思います。


就職する際にはぜひ参考にしてほしいです。
なんとしても個人と業界のミスマッチは避けたいものですから。

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